他医院に通院していましたが、右下の奥歯の歯肉の外側に“でき物”ができたり治ったりを繰り返し、なかなか“かぶせ物”をしてくれないとのことで来院されました。
口腔内を見ると第二小臼歯(5)と第一大臼歯(6)の歯根が歯ぐきの外側に露出した状態でした。
さらにレントゲン検査をしたところ、第一大臼歯の根と根の間の歯槽骨の吸収が著しいため、ソケットプリザベーションによる歯槽骨温存後、インプラント埋入をおこないました。
第二小臼歯は根周囲に骨の吸収はあるものの、抜歯同時インプラント埋入で十分対応できると診断し、処置をしました。
現在、術後15年経過しておりますが、初診時に存在していた“でき物(膿瘍)”はとっくになくなっています。
見た目も以前より改善し、いまでも何でも食べられる口腔環境を維持されています。
ソケットプリザベーション : 抜歯した箇所に人工骨を入れて、歯槽骨(骨)の温存を図る処置
治療期間 | 6ヶ月半 |
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治療内容 |
インプラント手術:2本
治療内容内訳:下顎右側: 5番(第二小臼歯) ※抜歯即時インプラント治療 6番(第一大臼歯) ※ソケットブリザベーション後、インプラント治療 初診時問診、レントゲン撮影、CT撮影、抜歯即時インプラント埋入手術(1本)、 ソケットブリザベーション(1歯)、インプラント埋入手術(1本)、 上部構造物(人工歯2本) |
総治療費 | 627、500円 |
メリット |
歯を残せる可能性が高まる (ブリッジや入れ歯と異なり両側の歯を傷つけない)
咀嚼能力を維持・向上する効果 (よく噛めるようになる)
抜歯即時インプラント治療のメリット;
術後のメリット;抜歯直後は治癒力が活発に機能するので、骨や周囲組織の回復が早い 骨とインプラント体との一体化(結合)も比較的早い 抜歯後、期間を置くと骨吸収が必ず起こるが、本治療ではそれがない 抜歯と同時にインプラント体を埋入するので手術回数が減り治療期間も短くなる メインテナンスにきちんと通われており健全な口腔環境を維持できている |
デメリット |
自費診療のため処置費用が高額
インプラント治療を適用できない場合があります
抜歯即時インプラント治療のデメリット;(糖尿病、骨粗しょう症など全身疾患のある方) 重度歯周病(歯周炎)でやむなく抜歯した場合など、歯周組織(骨)の状態が悪い場合は適用できません |
リスク 副作用 |
手術時の痛みや違和感(麻酔で軽減)
手術後に腫れや痛みを伴う(抗生物質、消炎鎮痛剤等の処方)
インプラント埋入手術の後、顎骨とインプラントを定着させるのに、一定期間経過観察をしますが、人により、稀ではありますが、定着しない場合があります
治療完了後、インプラントを良好に保つために定期メインテナンスが必要になります
ご自身の口腔ケア、定期メンテナンスを怠ると、
歯ぎしりや食いしばりなど無理な力がインプラント体にかかりすぎると支えている周囲の骨にダメージを与えることがあります(歯ぎしり防止マウスガードで対応可)
天然歯の歯周病に似た症状のインプラント周囲炎にかかる可能性があります。 |
ご覧いただいたように、インプラントには残存歯を保護する観点からすると絶大な効果があります。
咬み合わせをつくるにあたって、ブリッジや部分入れ歯あるいは総入れ歯での対応も悪くないと思いますが、欠損している部分に人工歯根を埋入し、咬み合わせを負担させることは、生涯に渡って歯を残し咬み合わせを保持する意味合いからすると、非常に有効であると私は考えています。
インプラント治療は残っている骨をいかに活用して人工の歯をつくるかにかかっています。
骨が不足している場合は、水平的に骨を拡げたり、垂直的に骨造成したりと、あらゆる方法でインプラント治療がおこなわれていますが、基本は患者様個々の咬み合わせがいかにスムーズになるように仕上げていくかがポイントです。