左上の奥歯が2本・右下奥歯2本・下の前歯3本・左下奥歯3本がなくなって、全く咬むことができないのでインプラントを入れてほしいと希望されて来院されました。
下は部分入れ歯を使用していましたが、割れて合わないので固定式にしたいとのお話でした。
口の中全体が飛び出ている歯、引っこんでいる歯、傾いている歯など歯並びがガタガタでしたので、セットアップモデル(全体の歯並びをきれいに整えることを予想した模型)をつくり、レントゲン検査・CT撮影→3D画像診断をした後、上に2本・下に6本のインプラントを埋入して、全体的にきれいに噛めるように仕上げていきました。
特に上は垂直的な骨の高さが不足していましたので、ソケットリフト法による骨造成をおこない、しっかりとしたインプラントの固定を可能としました。
ご自宅が遠方ということもあり、現在は3ケ月に1回のメインテナンスに通われています。
ソケットリフト:歯槽頂から人工骨を填入して骨の高さを増やす方法
治療期間 | 11ヶ月半 |
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治療内容 |
インプラント手術:8本
治療内容内訳:上顎左側:第一大臼歯(6)、第二大臼歯(7) 下顎左側:第一小臼歯(4)、第二小臼歯(5)、第一大臼歯(6)、第二大臼歯(7) 下顎右側:第一大臼歯(6)、第二大臼歯(7) 初診時問診、レントゲン撮影、CT撮影、インプラント体1本の埋入手術、 ソケットリフトによる骨造成手術(2本)、上部構造物(人工歯7本) |
総治療費 | 2、226、000円 |
メリット |
歯を残せる可能性が高まる (ブリッジや入れ歯と異なり両側の歯を傷つけない)
咀嚼能力を維持・向上する効果 (よく噛めるようになる)
術後のメリット;食べることの苦労がなくなり食事がいつも楽しい メインテナンスにきちんと通われており健全な口腔環境を維持できている |
デメリット |
自費診療のため処置費用が高額
インプラント治療を適用できない場合があります(糖尿病、骨粗しょう症など全身疾患のある方) |
リスク 副作用 |
手術時の痛みや違和感(麻酔で軽減)
手術後に腫れや痛みを伴う(抗生物質、消炎鎮痛剤等の処方)
インプラント埋入手術の後、顎骨とインプラントを定着させるのに、一定期間経過観察をしますが、人により、稀ではありますが、定着しない場合があります
治療完了後、インプラントを良好に保つために定期メインテナンスが必要になります
ご自身の口腔ケア、定期メンテナンスを怠ると、
歯ぎしりや食いしばりなど無理な力がインプラント体にかかりすぎると支えている周囲の骨にダメージを与えることがあります(歯ぎしり防止マウスガードで対応可)
天然歯の歯周病に似た症状のインプラント周囲炎にかかる可能性があります。 |
ご覧いただいたように、インプラントには残存歯を保護する観点からすると絶大な効果があります。
咬み合わせをつくるにあたって、ブリッジや部分入れ歯あるいは総入れ歯での対応も悪くないと思いますが、欠損している部分に人工歯根を埋入し、咬み合わせを負担させることは、生涯に渡って歯を残し咬み合わせを保持する意味合いからすると、非常に有効であると私は考えています。
インプラント治療は残っている骨をいかに活用して人工の歯をつくるかにかかっています。
骨が不足している場合は、水平的に骨を拡げたり、垂直的に骨造成したりと、あらゆる方法でインプラント治療がおこなわれていますが、基本は患者様個々の咬み合わせがいかにスムーズになるように仕上げていくかがポイントです。